生産科学科
カリキュラム
専門科目(固有)
生産科学英語(必修)
専門分野の学習および研究においては、初めて目にする情報を正確に理解することが必要となるので、英語文献を勘で読むのではなく、論理的に正しく読み取る能力が欠かせない。この演習では、英語で書かれた最新の論文や教科書から直接自然科学を学ぶ事を通じ、科学英語特有の表現方法や単語の使い方を学習するとともに、正しい文法理解に基づいて読み取る訓練を行う。
植物育種学
仕事として植物の育種を担当する状況下において、自ら育種計画を提案できる知識を身につけることを目的とする。
植物遺伝学
植物における、性と生殖、遺伝の仕組み、染色体構造および遺伝子操作等に関する理解を深める。
植物生理学Ⅱ
近年の生化学?分子生物学の発展により、多くの植物生理現象に対する分子レベルの知見が急速に蓄積している。本講義では、植物生理現象をできる限り“分子の言葉“で理解することを目標にしている。
植物細胞工学
植物細胞工学とは組織培養、細胞融合、遺伝子組換え等のいわゆる植物バイオテクノロジーを利用して、植物の育種、繁殖、有用物質生産等に役立つような技術開発を行うと共に、関連する重要な現象を遺伝学的、植物生理学的な面から解析していく研究分野である。本講義では、植物組織培養技術を中心に、その基礎知識とその利用について述べる。
植物保護学
植物を害虫から守るにはどうすべきだろうか。害虫の防除法に用いられている農薬の種類とそれらの作用機作、農薬の安全性、薬剤耐性の問題をとりあげ、農薬に代わる耕種的防除、機械的物理的防除、生物的防除などについて講義する。
植物病理学
農業生産技術が発達した現在においても、農作物の約3分の1が収穫前に損失している。その理由のひとつに病原体の感染があげられる。植物疾病の原因微生物について詳しく理解することは、農作物の安定生産の実現、減農薬など、持続可能な農業を目指した有効な病害防除戦略の確立につながる。そこで本講義では、植物疾病の原因微生物の種類?分類?発病機構?伝染経路、さらに病原性と抵抗性に関する基本的な知識について概説する。学生は、本講義を通して植物病害に関する一般的な知識を学び、さらに病原体の病原性および植物側の抵抗性メカニズムについて専門的な知識を習得する。これらの知見を統合し、病害防除の重要性について理解すると同時に、感染方法がそれぞれ異なる病原体と植物との相互作用を、生物の進化的な側面から考察する。
応用昆虫学
昆虫は他の分類群の生物に比べて種数が非常に多く、バイオマスが大きい生物である。同時に、生活圏が人と重なっていることから、人の生活や生産活動に深い関わりをもってきた。好ましくない関わりとしては、農業や食品産業において起こる作物や生産物の加害がある。安定した食料生産を目指すためには、農業害虫や貯蔵食品害虫の管理が不可欠である。また、健康的な生活環境を脅かす衛生害虫や家屋害虫の防除も必要である。一方で、好ましい関わりとして、古くは食料や薬としての利用、近年では生物的防除やバイオミメティクスなどによる利用がある。本科目では、昆虫の様々な特性を知り、これまでとこれからの昆虫と人との関わりを考える。
植物生産学
資源植物?作物の生長と生産を規定する重要な生理?生態学的過程を概説する。太陽エネルギー変換系として作物群落を捉え直し、その生産効率と上記の生理?生態学的過程との関係を論じる。
植物形態?機能学
植物の基本的な形態とその形成過程について理解する。
食用作物学
イネ、ムギ類、トウモロコシ等の穀類、マメ類およびイモ類という主要食用作物の生産状況、来歴および分類を学ぶことにより、これら作物の特性および生産における諸問題を理解する。これら作物の収量、品質および持続生産性の向上のために必要な、形態および生理?生態学的特性について論じることができる。
産業資源作物学
繊維料、嗜好料、糖料、油料作物など地域の特産品や工業原料となる作物の特性を概説するとともに、各分類の代表的作物を取り上げて来歴、生産状況、生理?生態的特徴、栽培、加工法などを各論的に紹介する。またイネ科やマメ科牧草などの飼料作物、ファイトレメディエーションを目的とした環境修復作物、石油代替資源として注目されているエネルギー作物について、生理?生態学的および栽培利用上の特徴を総論的に紹介する。
蔬菜園芸学
野菜の分類、形態、生理生態学的特性、繁殖などに関する知識を習得し、野菜の栽培技術や作型分化について理解する。さらに、施設栽培や養液栽培、植物工場についての基礎的な知識を習得する。
果樹園芸学
果実生産に関わる基礎的知識の習得を目的とし、永年性の木本植物である果樹の生理?生態的特長を述べ、育種や繁殖法、栽培管理、開花から成熟までの果実発達とポストハーベストなどについて概説する。また最新の知見を織りまぜて講述し、果樹園芸の現状について理解を深めることを目標とする。
花卉学
花卉園芸の特徴および日本における花卉生産の現状を習得するとともに、主要園芸花卉の花や繁殖器官などの形態的特徴、花芽分化や休眠などの生理?生態的特性、栽培管理技術を学ぶことにより、花卉園芸の基礎知識と、生理生態反応及び生育特性と栽培管理法との関係を理解する。
畜産学概論
家畜の起源、わが国での畜産の発達、畜産と環境との関わりを理解するとともに、家畜生産?利用に必要な栄養?飼料、飼養管理、繁殖?育種、衛生、畜産物利用の基礎を学ぶ。また畜産経営と畜産物の流通、家畜飼養の概要を学び、畜産についての幅広い知識を身につける。
動物繁殖学
繁殖とは、生物が自己と同種の個体を連続性をもって生み出す生殖という最も根元的な機能によって、種が存続し個体数を増大させることである。繁殖の概念には、種固有の繁殖戦略により営まれる自然増殖以外にも、目的に応じて生殖機能や配偶子を操作して繁殖機能を調節したり、ある形質を次世代に特化させるための人為的調節が含まれる。動物繁殖学は、形態学的および生理学的な基礎的繁殖機構の解明に加え、これに立脚した繁殖の安定化および効率化を目的とした人為的繁殖調節を探求する学問である。本講義では、哺乳動物における生殖細胞の発生、受精、着床、妊娠、分娩および泌乳から成る一連の繁殖体系および繁殖を抑制する障害、さらにウシなど付加価値の極めて高い家畜の改良増殖や希少動物等の種の保全に有効な人工授精、体外受精および胚移植といった応用的な繁殖技術について、理解を深めることを目的する。
動物生体機構学
動物の生命維持と家畜における乳?肉?卵生産を理解するためには、解剖学と生理学の両面からの理解が必要である。動物体は体の骨格や運動器官と内臓から成り立っており、動物の種類によって構造が異なっているものもある。本講義は動物の筋系の運動生理、飼料摂取、吸収、排泄に関する生体機構、繁殖機構、神経機構、脈管系の生体機構、内分泌機構から成るホメオスタシスと畜産物生産に係るホメオレシス、さらにこれらの生産技術の理解を目的とする。
動物育種学
動物の遺伝の基礎から育種の実際までを概観し、動物生産における遺伝的改良の意義と重要性を理解する。また、ゲノム情報に基づく能力評価と選抜法の特徴、希少動物の保全?管理における遺伝育種学の役割、遺伝子改変技術を応用した最先端の育種を学ぶとともに、将来的な動物育種の在り方についても議論する。
動物栄養学
動物栄養学の基礎である栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、水)の栄養学的な性質及び栄養素の消化、吸収、体内代謝について生化学?分子生物学的に理解する。また、家畜飼料の種類や栄養価の評価、飼料設計を学ぶとともに家畜の代謝?栄養障害の発生原因と機序を理解する。
動物管理学
近飼育動物や野生動物の管理について様々な分野から概説し、多角的視線から管理学について理解を深められるよう講義する。
生産システム学
農産物の生産に利用される機械?装置および施設の構造や性能、その運用に関する基礎知識を習得する。
生物計測工学
植物個体や群落の形状や物性、栽培環境を計測し、そのデータから栽培管理に必要な情報を取得するための基礎知識を習得する。
食料システム学概論
今日、消費者と農業生産者の距離が広がっていると指摘されている。そのため、「食」や「農」の問題を理解し考察するためには、消費者と農業生産者だけでなく、両者の間に位置する製造、流通、外食等も含めて理解を深めることが必要である。この講義では、経済学の視点に立ち、そうした食料システムについて概要を理解することを目的とする。
生物資源経済学
生物資源の利用に関する問題は経済的な側面を強く持っている。しかし、生物資源のもつ特徴により、市場が機能する場合と失敗する場合がある。この講義では、それぞれの場合について、ミクロ経済学の観点から説明することにより、そうした問題を経済学的に考察するために必要な基本的な考え方を修得することを目的とする。
実験?実習等
植物遺伝子工学実験
アグロバクテリウム(Agrobacterium tumefaciens)を用いてアントシアニンの合成を促進する遺伝子をタバコに形質転換し、導入遺伝子の解析を行う。この過程で組織培養およびDNAの取り扱いに関する基礎的な実験手法を学ぶ。さらにプロトプラストの調製と融合、押しつぶし法による染色体観察、Ploidy Analyzerの操作を体得する。
生産科学基礎実験
本科目は「課題解決のための研究デザイン」に関する知識と技術の習得を目指すものである。本学では、中間年次に様々な専門知識を学び、3年から卒業年次にかけて、それら知識を応用して、学生自らが設定した課題に対して根拠に基づいた科学的なアプローチを行うことで、物事を論理的に解決してゆく能力を身につけるよう、卒業研究という専門科目を中心として指導している。専門知識を応用して、物事を科学的に検証し、論理的に解決していくためには、必ず押さえておかなければならない項目が複数ある。そこで本科目では、自ら研究を設計?検証するために必要な基礎的な内容の中で、特に重要な項目を絞って学ぶことで、物事を論理的に解決?説明するためのプロセスを理解する。さらに、与えられた課題に対して、習得した知識や方法論を用いて学生自身が主体的に取り組むことで、研究室配属後の卒業研究にも応用できるようにする。
植物生産学実験
植物の栽培、形態の観察、生長?生理状態の測定、植物体の化学分析および生理?生化学的解析、食味官能試験など、植物生産学の研究に必要な基本的実験技術と方法論を習得する。
植物生産学基礎実験
農作物および園芸作物を対象に、特徴的な場面をとりあげてその形態的、生理生態的特性を理解するための基礎的な実験手法を習得する。
動物生産学実験
動物用飼料の価値?品質評価のための分析法、動物の基本的な管理法、動物の生殖器官の観察法、人為的繁殖方法を理解し、習得する。
生物生産工学実験
機械工学や電子工学の基本的な実験をとおして機械?装置の基礎となる原理の理解を深める。
実験?計測およびデータ処理にコンピュータを利用する基本的な手法を修得する。
学外農業関連実習
将来、国内外において実践的な農業や関連部門に関わりたいと希望する学生に、基礎的な知識と現実的な技術を学外の先進農家や農業関連企業、試験場、動物園等において体験的に学ばせ、科学的分析と判断力および現場感覚を備えさせることを目指す。
植物環境生理学
光強度、光波長、日長(明暗サイクル)、温度、湿度、二酸化炭素濃度などの環境条件に対する作物の様々な形態的?生理的反応を概説し、養液栽培の主要方式の特性や病害虫防除などについて論じる。
植物環境制御学
植物の生育環境を制御することにより、どのようにして生産の安定や作期の拡大、生産物の品質向上や高付加価値化がなされてきたかを理解し、新しい農業のあり方を考えていく基礎を身につける。
植物環境制御学実験Ⅰ
温室や植物工場での環境制御と植物栽培に必要な技術について、本学内の栽培施設において実際にトマトやイチゴ、葉菜類を栽培しながら実験を行い、春~夏季での栽培施設の管理と環境制御、養液栽培に関する知識と技能を習得する。
植物環境制御学実験Ⅱ
温室や植物工場での環境制御と植物栽培に必要な技術について、本学内の栽培施設において実験および実習を行い、秋~冬季での温室や、人工気象室内での栽培管理と環境制御、養液栽培に関する知識と技能を習得する。
ゲノム分析実習
ゲノム分析に関連するバイオテクノロジーの各種実験技術について、原理を学びながら修得する。これを受講することにより、先端バイオテクノロジーの実際についての知識と技術を修得することを目的とする。
環境ゲノム学
現在進行形で進歩し続ける環境ゲノム研究領域を理解できる能力を身につけることを目的とする。そのために、どのようにゲノムを研究するかという基礎を理解した上で、ゲノム編集技術、次世代シーケンス(NGS)技術、ならびにNGS技術を用いたメタゲノム解析やRNA-seq解析など最新の技術、そしてこれらの技術で何が分かるか、何ができるか、何が課題かといった問題も理解する。環境DNA、メタゲノム、個々の微生物、ヒト、ならびに植物のゲノムを主な対象とする。ゲノム分析実習や遺伝子機能解析学などとも連携し、知識の深い理解と定着を図る。
人間環境学
「人間環境学」とは、「人間環境」の探求のなかで学問の諸分野を相互に連関させ、総合していくことを通じて、個別領域へと分裂している学問、その中でも特に個別領域へと分裂している科学(science)を有機的に再統合する新しい学の理念である。受講者自らが主体的に、科学、特に生命科学や環境科学を相互に連関させ、統合していくことを目指して、自らが、総合的?統合的にリーズナブルな論理思考を行える能力と習慣を得ることを目的とする。
バイオ医薬?産業学
バイオテクノロジーは現代社会の様々な産業と密接に関係している。とりわけ、医薬品関連業界(健康機能性物質の関連業界を含む)ではバイオテクノロジーを駆使した技術開発が盛んに行われている。本講義では、バイオテクノロジーと産業との関わりを、各分野におけるプロフェッショナルの講師が分担して解説する。また、バイオ医薬品関連産業の基礎として免疫生物学を講義する。さらに、外部講師の講義を通して、バイオ製品を扱う臨床現場や開発現場などの実情に触れる。これを受講することにより、産業分野におけるバイオテクノロジーの応用についての知識と思考力を修得することを目的とする。
遺伝子機能解析学
遺伝子には調節(制御)遺伝子や構造遺伝子などの種類があるが、塩基配列が明らかでも機能が明らかでない遺伝子は数多く存在している。まさに、遺伝子の機能を解析し解明することは、バイオテクノロジーのみならず生物学全般にとってきわめて重要な研究課題である。本講義では、遺伝子の機能を解析するための様々な手法や考え方を、各分野のプロフェッショナルのバイオ研究者である資源研の教員が分担して解説する。これを受講することにより、遺伝子の機能解析の理論と実際に関する知識と考え方を修得することを目的とする。
生産科学演習Ⅰ(必修)
卒業研究に必要な知識や技術を修得するために、卒業研究の指導教員から演習形式で指導を受ける。
生産科学演習Ⅱ(必修)
卒業研究に必要な知識や技術を修得するために、卒業研究の指導教員から演習形式で指導を受ける。
卒業研究(必修)
専門科目(共通科目)
生物資源環境学概論(必修)
人と自然との共生?共存を図るためには、バイオテクノロジーなどの先端技術を活用した、生物生産、食品の加工と利用及び、生物が持つ自然環境保全機能を活用した環境の保全と整備などについての幅広い分野に関する研究が必要である。これらの分野への関心を高めるとともに、専門科目履修への予備知識を習得することを本講義の目的とする。
石川の自然と農林水産業
石川の自然や農林水産業について学び、地域や地元産業が抱える課題の解決策を検討?提案する過程を通じて専門科目での学びの必要性に気づかせる。また、プロジェクト型学習を通じて、社会人基礎力(主体性、働きかけ力、実行力、課題発見力、計画力、創造力、発信力、傾聴力など)を高める。
生物統計学
生物を扱う研究の成果を発表するうえで必要となる統計処理手法の習得を目的とする。
応用気象学
(食品科学科を除く)
あらゆる生産活動や日常生活は、多かれ少なかれ現場の気象条件に左右されている。本科目では、気象学の入門編として地球大気に関する基本的な知識を概説した後、応用編として気象に関する知識や気象情報を有効に活用するための手法や考え方を講義する。
環境倫理学
環境問題の目標や理念、課題について理解し、現在の地球環境問題を環境倫理の視点で解説する。自然保護や生態系の保全の意義を考えつつ、我々が今後環境問題に個人レベルで、あるいは社会レベルでどのように対処すればよいのかという点について考える。
栽培学概論
世界規模での地球温暖化や環境汚染により、農作物の生産を取り巻く状況は、様々な課題を抱えている。そこで、科学的知見に基づき農業が環境負荷に及ぼす影響を考察し、環境保全を推進のための様々な栽培技術や実践普及?啓蒙例を学ぶことによって、新たな農作物の生産や政策提言につながる学習をする。
廃棄物?資源循環論
わが国の廃棄物処理について、これまでの変遷から現状を踏まえつつ廃棄物の収集?運搬、中間処理、埋立処分の各プロセスを解説するとともに、中間処理におけるメタン発酵、堆肥化技術について解説する。さらに、持続可能な社会の構築に向けた資源利用について、その概念と法体系、方向性について説明する。
遺伝学概論
遺伝子の本体と働きなどの生命科学の基礎知識は自然科学の基盤としてだけでなく、今日では人文科学や社会科学など全ての学問分野、さらには私たちの生活とも深い関わりを持っている。そこで本講義では、バイオテクノロジー、生産科学、食品科学、環境科学に関する様々な専門科目のみならず自然科学一般の基盤となる遺伝学について、生命科学の基礎知識から理解することを目的とする。
植物生理学Ⅰ
最新の知見をおりまぜ植物の持つ特有の機能を細胞学?生化学?分子生物学的に概説することにより、植物についての理解と興味を深めることを目的とする。
生態学概論
本講義では、地球環境問題の理解に不可欠である生態学の基礎概念を解説する。具体的には、生物と環境、進化、生物間相互作用、生物群集、生物多様性など、生態学的な考え方の理解を目指す。また、教科書の内容だけではなく、それぞれのトピックスに関連した最新の研究成果なども紹介する。
微生物学概論
微生物は広く自然界に棲息し、その生命活動は、地球環境の維持や農業生産に大きく寄与している。また、人の健康や病気にも大きく関わり、食品生産や機能性物質?工業原料の生産の上でも、重要な役割を果たしている。また、微生物は分子生物学及びその応用技術であるバイオテクノロジーの発展に欠かせない研究材料でもある。本講義では、微生物の生物学的?分類学的な全体像を分子レベルで把握するために、人の生活と密接に関連する代表的微生物について知識を習得していく。さらに、微生物を用いた研究の面白さや、その大きな可能性について認識できるようになるために、実用化された物質生産の例や先端バイオテクノロジー開発に関するホットな話題にも触れていく。
生物工学概論
(環境科学科を除く)
食品製造?加工、医薬品製造、化成品の原料生産、環境保全などの生物工学の適用分野について概観し、生物生産に関連した生物工学の基礎、および生産プロセス構築のための考え方について学ぶ。プロセスは、その上流にあり生細胞、酵素、固定化酵素などの生体触媒を用いる物質変換工程と、下流にあり生産物の分離?精製などを行う単位操作よりなっており、それらについて基礎と設計方法の理解を深める。
分子生物学概論
分子生物学は、生物の特性である生命活動の普遍性と多様性を分子レベルで説明しようとする学問であり、バイオテクノロジーを支える学問領域でもある。本講義により、セントラルドグマに代表される分子生物学の基本的な専門的知識を習得していく。さらに、分子生物学に基礎をおいた生命の基本単位である細胞についての理解を深めるとともに、近年の技術革新とそれによる分子生物学の発展を実例を通じて学習する。受講者は、この講義を履修することによって、生物を分子生物学的に説明しようとする経験をすることになる。
生化学概論
生化学は生命現象の科学的基礎を取り扱う学問であり、食品科学のみならず生命を対象とする学問の基礎をなしている。本科目では、生体での主要成分である水、タンパク質、糖質、脂質および核酸について詳述する。すなわち、生物を通じて作られる物質である「生体成分」の構造とその特性について理解することが本科目の目標である。
農場実習A(選択必修)
安全で高品質な農畜産物を効率的に生産するための、生産管理と産業動物の飼育管理を作業体験学習する。
農場実習B(選択必修)
(環境科学科を除く)
安全で高品質な農畜産物を効率的に生産するための、生産管理と産業動物の飼育管理を作業体験学習する。
分子生物学実習
あらゆる生命現象は遺伝子のコントロールを受けている。その生態も、遺伝子の働きに大きく影響される。また、遺伝子の本体であるDNA の塩基配列は個体ごとに異なり、塩基配列そのものが、精度の高い個体識別マーカーとして利用されている。学問においてのみならず、産業においても、農林水産、食品、医療、製薬、環境分野をはじめとして、非常に多くの分野で、遺伝子やDNAの分析が行われている。この実習では、一般的な遺伝子研究方法にのっとり、遺伝子やDNAの研究において最初に必要となる様々な技術を、その原理と共に学ぶ。それを通じ、遺伝子やDNAの研究の一般的な流れを理解するとともに、分子生物学研究に必要な基本的な知識ならびに実験技術を身につけることがこの実習の最も重要な目的である。また、直接目で見ることができない現象をイメージすることや、実験結果から間接的にその状態を理解する訓練を通じて身につく、見えないものの状態を理解する能力は、仕事や日常生活の様々な場面で活かすことができ、こうした能力を育てることも、この実習の目的である。
地域食農フィールド演習
過疎化や高齢化の進展、耕作放棄の増大等を抱える農林漁村の実態を体験させ、過疎地域の農業?農村が直面する様々な課題についての意識づけを図るとともに、学生自らが過疎地域の活性化策を立案できるようにする。
生物資源環境学社会生活論(必修)
いよいよ高校生活とは異なる学習や日常生活など、大学での新しい生活が始まる。そして4 年後、社会人として就職、あるいは大学院進学を目指す諸君には、専門的な知識や技術の習得だけでなく、課題発見?解決能力やコミュニケーション能力、あるいは協調性などいわゆる「社会人」として備えるべき力(汎用的技能: generic skills)の修得が求められる。本授業では、大学での生活に必要な基礎的技能の習得を図るとともに、上級生や社会で活躍する方々の話を聞くことによって、将来の進路を考える第一歩とする。
土壌環境学
(食品科学科を除く)
土壌は地球を構成するサブシステム(構成要素)として一翼を担っており、大気圏や水圏など他のサブシステムと強く相互作用することで地球の恒常性に大きく貢献し、さらに、我々の食糧生産の基盤としても機能している。本講義では土壌を構成する無機物(一次鉱物、二次鉱物)、有機物、生物(動物、微生物)の種類や機能など土壌学に関する知識を修得した後、植物の必須元素が土壌中で保持され植物に持続的に供給さ れるメカニズムや土壌劣化の対策?修復技術について理解を深め、土壌について幅広く考える機会を設けることを目的とする。
農業経営学
(環境科学科を除く)
本講義では、農業経営の基本的な概念や理論を学び、実際の農業経営に応用できる知識を習得することを目的とします。経営戦略、原価計算、マーケティング、リスクマネジメントなど、現代の農業経営に必要な事項を多角的な視点で考えていきます。講義では、実際の事例分析やグループディスカッションを通じて、農業経営における課題を分析し、解決策を考える力を養います。
農業政策学
(環境科学科を除く)
この講義では、国境措置や国内政策と日本の食料自給率との関係など、食料としての農産物を取り巻く現状や問題点、政策効果などについて理解することを目的とする。
食文化論
(環境科学科を除く)
食文化は、食に関するさまざまな要素から構成される生活(行動)様式であり、自然?社会環境等を背景として地域的?歴史的に形成され、伝承されてきた。こうした食文化の内容を広い観点から把握し、現代の食の特徴を理解する。また、発酵食品を中心とする石川県の食文化について理解する。
食品加工学
(環境科学科を除く)
食品加工とは保存性?嗜好性の向上、保健機能の付加などによって食品の商品価値を高める技術です。乾燥や塩蔵、発酵など古代から行われた伝統的な技術から最新の科学技術までが用いられています。食品加工に関わる様々な技術を理解し応用するためには、基本的な加工技術の原理を理解したうえで、それぞれの食品の加工技術から普遍性と特殊性を見出す能力が必要不可欠です。例えば、乾燥という技術だけでも干物やドライソーセージなど様々な食品が作られています。そのための乾燥技術には様々な方法があり、共通した点とそうでない点があります。食品加工の普遍性と特殊性という考え方を理解することで、それぞれの加工技術についてより深みのある理解が得られるはずです。そのために、本講義では食品加工の基礎的な技術とその原理ついて物理化学や生物化学などの考え方に基づいた理解を得ることを目的とします。
食品化学
(環境科学科を除く)
本講義では、食品の成分、味、色、香り、有害成分、食品成分の変化などについて解説し、食品について化学的視点から理解することを目標とする。
食品管理学
(環境科学科を除く)
食をめぐる問題は我々の生存にとって最も基本的で大切な問題であり、「食は命である」ともいわれる。大量生産?大量消費の現代の食生活では、食品管理は国民が安全な食品の提供を受けるために必要なことである。それゆえ食品製造業者は、HACCP の考えに基づいて安全な食品の製造?加工を行っている。そこで本講義では、HACCP の原理、食品有害微生物の理解とそれらへの対策を中心に解説する。
食品衛生学
(環境科学科を除く)
私達が摂取する食品は種々の機能を有するだけでなく、安全であることが必須である。しかしながら、食品には化学物質や製造?保管過程の微生物?異物混入等によって、重大な健康被害を引き起こす危険性が存在する。本講義では、食品の安全について正しく理解することが学習目的である。食料の一次生産から加工?流通?調理を経て摂取されるまでの過程で発生する食品の安全性及びリスクを総合的に理解することを目的とする。
食品マーケティング論
(環境科学科を除く)
授業では多様な食生活に位置する実需者本位の製品づくりとサービス提供を目指すマーケティングの一般理論と代表的な手法を学ぶ。併せて農産物や食品を対象としたマーケティング活動の実態を説明する。我が国における「食品の消費と流通」の現状を理解し、フードビジネスの現場でのマーケティング展開について学ぶ。生活環境の多様化に伴う現代人の食生活形態と食品流通との関連性を理解習得することを目的とする。
食品学総論
(環境科学科を除く)
食品機能、食品成分、食品加工、食品流通、食品表示など、食に関する幅広い分野について学習することにより、食品に関係する一般的な知識の習得を目指す。